遅い雪国の春は、にぎやかだ。
春の山菜も出始め、梅も桜もいっぺんに咲き、残雪と新緑が目にまぶしい。
穏やかな天候がつづき、とても心地良く過ごせる春。
にぎやかな春にはにぎやかな音。
遅い薪作りが始まっている。
チェンソーで切っては割り、切っては割りを繰り返す。
ギンギンに研いだそれはとてもよく切れるし、
相棒の薪割り機はどでかく節だらけの材も難なく割ってくれる。
割った薪を軽トラへ積んで運び、そして薪小屋へ。
まだ赤色の杉の薪も夏を超えるとベージュ色へ変わる。
薪焚く人は、
春は遅いほどいい。
待ちわびた甲斐があるというものだ。
まだ残雪がある水源を散策
自然の中で生かされている事への感謝な気持ちが、
この季節はとてつもなく感じられる。
雪解け水はとても冷たいけど、とてもきれい。
汗かき薪作りをしながら飲む一杯の雪解け水は、
何よりも旨い。