ヨツール5という薪ストーブを知っているだろうか?
輸入元が渋谷区の道玄坂にもあった頃の物だ。
今から30年前の話。
当時、学生だった私は道玄坂でラーメン屋のオカモチとしてアルバイトしていた。
よく広東麺をその輸入元へ出前したものだ。
ビルの狭い階段を上がると鋳物のストーブが所狭しと並んでいたのを微かに覚えてる。


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5はアコーディオン扉と言われる仕様。
一見、観音開きドアに見えるが実はヒンジが右側だけしかないところが面白い。
ダイヤル式のエアー調整とバッフル板のみのシンプルな構造。
着火するとゴーォーといってガンガン燃える。良くも悪くも燃えてくれる。

古い薪ストーブと言っていいだろう。

5が見せる炎は虚無である。
しかし、それが良い。
近年のそれはエンジニアの試行錯誤が結果をもたらした創られた炎が多い。
それよりも寒いから焚かなければ生きていけない時代の箱だ。
流行やスタイルを重視出来ない時代の鋳物の箱でもある。
そんな鋳物の箱は最高だ。


久しぶりにご対面した。

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焚き付けて直ぐにゴーォーといって燃える。
ゴーぉーといって。
 5 。。。








うちにある古いストーブ

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工房の片隅で5のように燃えている。

古い炎と言ってもいいだろう。

でも、原点だ。この炎を大切にしたい。