この事に触れずにはいられない。
熊本地震 4月14日震度7前震 16日震度7本震。
今日までに震度3以上を210回地震観測計が観測している。
2週間も経つが収束しているのだろうかと疑う。まさに大災害だ。

11年前、遭遇した中越大震災と同じ前震と本震。
しかしながら、それを上回る規模と回数だ。
東日本大震災からまだ5年しか経たない中、台風とか豪雨とか暴風や豪雪もこの間に起こり、災害が毎年発生している。

災害大国日本といわれるだけあり、世界からはその起こりうる災害を最小限に食い止める準備と備蓄やその後の対応はすばらしいと言われているようでもあるが、マスコミだけは低レベルだと言われる。私も同感だ。消防・救急・警察そして自衛隊すべての隊が一刻を争う事態の人命救助の際には、必ず周囲をシートで覆い隠し足場の悪い現場で必死に救護に徹している。TV局各社はスクープとして争い映し出すが、あなたたちがいなければ救助隊はもっと俊敏に動ける。何よりも一刻を争う人がそこにいるのに、、。

自然災害には勝てない。勝てないというより手立てがない。自然界の下では無力な事があまりにも多すぎるものだ。人間だから仕方がない。
電気、ガス、水道、道路といった当たり前にある日常は吹っ飛んでいく。
中越大震災の際、私の家の近辺では井戸水や温泉水といった地下に依存している宝も脈が無くなった。誰もが想像以上に地震の怖さを改めて知った。

薪ストーブは足を固定していた方が良いよと、誰かが言っていたけど、そんな事は縦揺れ・横揺れで何位せよ意味のない事だと思い知った。その後の状態から復旧を考える場合には私は薪ストーブの足の固定は行わない方が良いと今でも考えているし、そうしている。私の被災したお客様の中には家が倒壊した方もいた。倒壊は免れたが建て直しが必要な方も多くいた。薪ストーブが80cmも移動した家やストーブの足が折れた家、沢山あった事を思い出す。2重断熱煙突が外れた家は倒壊家屋以外ではなかった。通常、断熱煙突は躯体にしっかりとコーチボルトで固定を3か所以上で行うので家が倒壊しない限り煙突は外れない。
ストーブの足を固定しない場合は、ストーブが炉台上でガタガタと動き回る。これがその後
生かされる。ストーブ本体と断熱煙突を繋ぐシングル煙突とスライドそしてアダプター。
その距離は私は大体700㎜~1300㎜程度としている。

地震が起きるとそのアダプターから ちぎれる。

断熱煙突は家の躯体と同化している。ストーブは動きまくる。結果、一番弱い場所はアダプターとなる。ストーブを焚いていたとしてもそこから外れるとドラフトがなくなり、ストーブ内部の火の勢いは収まっていく。もちろん多量の煙はガンガン出るけれど。時間が解決する。

確か当時、20件近くアダプター交換と本体の再設置、屋根上から小屋裏、化粧板を外して
の煙突確認等々を行った。それは震災から1か月も経ってからだった。お客様へは電話をするのだが不通が多かった。ひび割れ陥没した道路ではお客様の家までは辿り着けなかった。
そんな時、思い知った。薪ストーブはそれほど役には立たないかも、、。
ライフラインが2,3日程度不通である比較的軽度な場合の震災時であれば薪ストーブは威力を見せつけてくれるだろう。しかし、薪ストーブ使用者が安易に震災時にストーブを焚く事は進めない。

どうしてもの場合は屋根上フラッシングは水漏れ問題だけなので見なくて良し。煙道囲いが破損していなければ良し。小屋裏と隠ぺい部の化粧板を外し確認を行う。動いたストーブをセットし直し、アダプターの破損個所を出来る限りリペアする。そしてしっかりと差し込み直す。ここまで出来きたなら、、。

いずれにせよ、家に自由に寝泊り出来る落着きを取り戻し、安堵できる状況であるのかを判断しての事となる。赤、黄、の判定色を家屋に張られた場合は絶対に止めてください。


この震災で被災された方へ、がんばってください。とは酷で言えませんが、
どうぞ体だけは大切にしてください。
一秒でも早くこの地震が収まることを願っています。